企業向け情報

【起業相談事業】起業の基本9ステップ

なんで・なんでの目指す起業

株式会社なんで・なんででは、起業を目指す方向けに、起業相談をしています。

当社が目指す起業は、「社会課題・顧客課題を解決する対価として報酬をもらうビジネス」と定義しており、報酬は資本貨幣だけに止まりません。地域の特産物や、活動協力、広報協力や、一緒にいて楽しいという感情も含めて報酬ととらえます。それは昔の物々交換であったり、恩送りのような日本古来の価値観に似ているように思います。

参考リンク:人から受けた恩はバトン。「恩返し」ではなく「恩送り」という考え方|キナリノ


じゃあ、それはビジネスなのか、と言われると辛いところがありますが、地方での価値のあり方や物価と、東京との価格差があり、特に無形商材(デザイン・ノウハウ)には資本貨幣での報酬を払いにくい傾向があります。

そういう点から「お金を集める資本主義」的な株式、つまりはIPO(新規上場)をして、株式の売却益を得たり、事業や会社そのものを売却するような起業を目指してはいません。

(そのやり方をする方を否定しているわけではありませんし、私自身も遠い未来として自分の会社を上場することを諦めたり、否定しているわけでもありません)

昨今では、こういった社会課題を解決する起業をする人のことを「社会起業家」と言ったりします。また、起業に限らず、利益というよりは社会や地域の課題のためにビジネスをする企業全般をゼブラ企業と言ったりします。

参考リンク:地域課題解決事業推進(ゼブラ企業)|中小企業庁

あなた自身の深堀りがはじめの一歩

当社の社名にある通り、起業相談をされる方には

「なぜ起業をしたいのか」

を明確にしてもらうべく、問いかけます。

「儲けたいから」と答える方には「儲けて何をしたいのか」を深掘ります。

「困っている人を助けたいから」という方には「なぜそれをあなたがするのか」を深掘ります。

一見綺麗な言葉でも、そこに「覚悟」がないと起業はうまくいきません。それはきっと起業は一人でするものではないからだと思います。雇う場合は従業員がいてくれるため、フリーランスや一人起業だとしてもお客様から信用してもらうために覚悟が必要になります。

以下に起業の9ステップをまとめてみました。

起業の9ステップ

1. 【自己理解・動機の明確化】

自分はなぜ起業したいのか、どんな価値を提供したいのかを明確にします。強みや弱み、価値観、人生の目標を見つめ直すことで、ぶれない起業の軸を作ることができます。

  • 起業の動機(なぜ起業したいのか)
  • 自分の経験の棚卸し(スキル・価値観)
  • ライフプランとの整合性(家庭・生活とのバランス)

2. 【アイデア創出・事業コンセプト設計】

自身の関心・経験と社会の課題やニーズを掛け合わせ、ビジネスアイデアを創出。アイデアを実現可能な形に落とし込み、誰に何をどう提供するかの骨格を固めます。

  • 解決したい課題の明確化
  • ターゲットの設定(ペルソナ分析)
  • ビジネスモデルの構築(BMCなど)
  • 差別化要因(競合優位性)の検討

3. 【市場・競合・顧客リサーチ】

ターゲットとなる市場規模や競合の動向を調査し、顧客のニーズを深く理解します。自分の事業の立ち位置や差別化ポイントを把握し、実現可能性を検証する重要なプロセスです。

特に広告資金力のないスタートアップ起業にとっては2つ戦略があります。大手のマーケティングに乗っかる「小判鮫戦略」と、ニッチな分野でまだ大手が手を出していない分野に特化する「ガン無視戦略」です。

  • 業界・市場の規模と動向の把握(3Cなど)
  • 競合分析(ポジショニングマップなど)
  • 顧客ニーズの調査(インタビュー・アンケート)

4. 【事業計画・資金計画の立案】

事業内容、収支予測、資金調達、スケジュールなどを整理した事業計画書を作成します。融資や補助金申請の準備、自己資金とのバランスを見極める重要な工程です。

お金の流れを考えるという意味では、より重要なのはキャッシュフローのように思います。融資を受ける場合、返済開始までに事業が回るかどうか、いきなり雇用する場合は給与を払える売り上げが出るかどうか、フリーランスから法人化する場合は自分の人件費を計算できているかどうかなど、お金について考えておくことは多岐に渡ります。特にメインバンクをどこにするかは地方企業にとっては重要です。ネットバンクと地銀をうまく併用し、freeeなどの経理ソフトと連動した「即時決算」が見られるようシステムを構築しましょう。

  • 売上・利益シミュレーション
  • 初期費用・運転資金の見積もり
  • 資金調達手段の検討(自己資金・融資・補助金)
  • 資金繰り表、キャッシュフローの作成

5. 【スキル・知識の習得】

起業に必要な会計、マーケティング、法務、マネジメントなどの基礎知識を習得。自分に足りないスキルを補完し、安心してスタートを切る準備を整えます。

  • マーケティング基礎(4P, SNS運用, SEO)
  • 会計・経理知識(損益計算書・キャッシュフロー)
  • 法務・知財(契約書、商標、登記など)
  • 人材マネジメント・組織づくり(採用、評価制度)
  • HP制作の知識、SEO、SNSなどのネットリテラシー

6. 【テストマーケティング・小規模実践】

小規模で商品やサービスを試験的に提供し、顧客の反応や改善点を把握します。早い段階での実践により、失敗のコストを抑えつつ、事業の精度を高めていきます。

  • MVP(最小限の製品)の構築
  • クラウドファンディングやプレ販売
  • 顧客からのフィードバック収集と改善
  • 課題解決型インターンシップの導入によるテストマーケティング

7. 【法人設立・体制構築】

会社形態の選定、登記手続き、口座・税務・社会保険の準備を行います。同時に、パートナーやチームメンバー、外部協力先などの運営体制を整備します。誰とどこで何をするのかを決定します。本拠地はどこなのかも重要です。

  • 会社設立手続き(法人or個人事業)
  • 役員・社員の体制構築
  • 会計・税務・法務の外部専門家との連携
  • オフィス・設備の準備

8. 【起業後の運営・改善】

顧客対応や販促活動、売上管理、PDCAの実行など、日々の業務を回しながら改善を続けます。フィードバックを受け止め、柔軟に対応できる体制を築くことが重要です。振り返りと改善、吸収と内省、自己否定を受け止める勇気を持たねばなりません。

  • 営業活動の実施(営業先の開拓・契約)
  • 広報・販促活動(SNS・PR)
  • PDCAによる事業改善
  • 顧客対応体制の整備

9. 【起業家としての成長】

経営者としての視点・行動力・責任感を養い、ビジョンを持って持続可能な成長を目指します。ネットワークの拡大や新事業への挑戦もこの段階で視野に入ってきます。事業が軌道に乗ったとしても、その後、起業の心ざしを忘れずに、初心に還ることができるかどうかが重要です。安定にほっとし、チャレンジを忘れてしまうと、熱が冷めてしまいます。その時に流行の移り変わりや、業界の変動などで変化を求められた時に、再始動にロスが生じます。「なんのために起業したのか」「何を目指すのか」を常に忘れずに変化し続けることが求められます。

  • 経営者マインドの習得(リーダーシップ・自己変革)
  • ネットワークづくり(異業種交流・メンター探し)
  • 継続的なインプット(読書・セミナー・コーチング)