人事担当者向け
【キャリアデザインの教科書①】これからの時代
2024.10.01
【連載】キャリアデザインの教科書 第1回「これからの時代」
リクルートワークス研究所による報告書「新しいキャリア論ハンドブック 8つの補助線から考えるキャリアデザイン」を読み代表須田が今感じること、考えることを語る全10回の連載企画。
前回:第0回 キャリアデザインとは
変化するキャリア感
リクルートワークス研究所が出した新しいキャリア論の良いところは、キャリアの不安に目を向けたところです。高度経済成長から昭和までは、どちらかというと働くのであれば、より良い結果で、より稼ぎたいというキャリア観でした。移行期である平成を経て、令和である今、大きくキャリアの価値観が変化し、貨幣価値よりも精神的安定を求めているように思います。
このアンケートの回答を見て、現在の不安として最も回答の多い「金銭、経済的に不十分、不安定なこと」を解決するためには、ほかの不安も解消していく必要がありますが、人によってその不安の形、解決の仕方が異なる点がこれまでの時代と違うところです。今までであれば「よりお金もらえるようになる」ための方法論が違うだけでしたが、今の時代はそもそもの消費を減らしたり、健康維持のため今頑張らないという決断をしたり、副業で専門外の知識を広く身に付けるなどさまざまです。
多様であるがゆえに他の人と比べてしまうと「自分は間違っていることをしているんじゃないか」と不安になることがあります。メインストリームがあるわけではなく、みんな違ってみんな良いの時代がやってきました。
学校や企業にこの資格を取れ、次は課長だ部長だ、とキャリアのルートを描いてもらうのではなく、自分自身で自分の可能性を広げられるような「職業選択の自由」が体現される時代なのです。
AIで加速する自動化
例えば、自分が専門的な知識を持っていなくても、AIが調べてくれて、まとめてくれます。これからはプログラミングやデザインなども学ばなくてもAIが作ってくれます。税理士や公務員など規則とルールに沿って行う仕事は自動化しやすい業務と言われています。定型作業はRPA(業務自動化)し、空いた時間でアイデアを出したり、雑談などのコミュニケーションをとることで、チームの結束を高めていくような時間の使い方ができる組織が生き残ります。
AIに仕事を奪われるのではなく、その仕事を人がするべきか自動化するべきか、の選別をし、自分がするべき仕事とは何か、に向き合うことで「あなたにとっての仕事とは何か」というキャリアマインドを醸成する機会としていきましょう。
キャリア選択で生き方を選ぶ
専門学校に数年通わずとも、下積み10年などの職人修行をせずとも、今の時代は工夫次第で稼ぐことも時間を自由に使うこともできる時代です。本当の意味で「キャリア選択の自由」とも言える、複数の職業を肩書に持つこと、自分の会社も持ちながらどこかに雇われるという働き方や、特定の季節だけ働いて他の季節は働かないという選択など、働き方を選ぶということは生き方を選ぶ時代とも言い換えることができると思います。
キャリアを考えるということは、キャリア官僚などの仕事という意味だけではなく、自分がどんな人生を歩みたいか、について考えることです。