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一段高い視点が手に入る? メタ認知とは

タスクに追われて困っている人やミスが増えてしまっている人、頭がいっぱいになってしまう人、自分が悪いとわかっているのに人に当たってしまう人など、そんな人にメタ認知は大いに役立ちます。

メタ認知とは?

「メタ」という言葉は、ギリシャ語で「超える」という意味を持つ接頭辞です。「メタ認知」とは自分の思考や行動を一段高い視点から客観的に見つめ、それを制御・調整する能力です。

通常の認知との違い

通常の認知は、情報を受け取り、その情報を処理して理解する過程を指します。例えば、本を読むときに文章を理解することや、問題を解決するための論理的思考です。一方、メタ認知はその「認知」そのものを監視し、調整する能力を意味します。

通常の認知の例

  • 本を読んで内容を理解する。
  • 数学の問題を解くために論理的に考える。

メタ認知の例

  • 本を読んでいる際「自分は今この部分がちゃんと理解できていなかった」と自分の理解度を自ら認識し、読み直す。
  • 数学の問題を解く際に、どの解法が最適かを自己評価し、適切な解法を選択する。

ビジネスにおけるメタ認知の活用法

メタ認知はビジネスのさまざまな場面で活用できます。例えば、プロジェクト管理やチーム運営に役立ちます。以下に具体的な活用例を紹介します:

  • プレゼンテーション: 自分の話す声量やスピードを認知し、聴衆の様子に応じて話し方を調整する
  • タスク管理: 自分がどのようにタスクに優先順位をつけているか、タスクに追われている焦燥感の原因はなにか自分の行動原理を認識し見直す

また、メタ認知は企業のリーダーシップトレーニングなど研修にも活用されています。瞑想などのワークを通じて自分の感情・思考を高い視点から認識する練習をします。そうすることで、自分に対してネガティブなフィードバックを受けた際にも感情的・反射的に反応するのではなく、より高い視点から状況を捉えることができるのだそうです。

身近な具体例

メタ認知は日常生活でも身近に使われており、心理的な効果も期待できます。例えば、自分の感情やストレスの状態を認識し、それを管理することで、精神的な健康を維持することができます。以下にメタ認知の身近な利用例を示します:

  • 時間管理: 一日の終わりに、今日何を達成できたかを振り返り、翌日の計画を立てる
  • 学習: 学生が試験勉強の方法や自分の性格・適正を見直し、どの学習方法が自分に合っているかを分析する
  • 健康管理: 健康的な生活を送るために、日々の食事や運動習慣を振り返り、改善点を見つける

簡単な実践方法

簡単にメタ認知を実践するには「〇〇さんならどう考えるかな」と頭の中に上司や家族など自分とは別の価値観を持つ人がいることを想像して、その人たちの意見を聞くことです。

幼少期からメタ認知は発達しますが、その強化には教育課程で練習を重ねることが非常に重要で、大人になっても日々の習慣が大切です。目の前の仕事でいっぱいいっぱいになっていたり、やらなければならない義務感の強いストレスのかかる環境に陥った時では遅いのです。普段からメタ認知の訓練をしましょう。

参考リンク