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【キャリアデザインの基礎】① 「キャリアデザイン」とは

「キャリアデザインの基礎」、第一回目。

本記事では、「キャリアデザインとは何か?」という部分について徹底解説していきます!





▼ 株式会社なんで・なんで代表須田が展開する【キャリアデザインの基礎】シリーズはこちらからご覧ください。

【キャリアデザインの基礎】プランドハプンスタンス
【キャリアデザインの基礎】② 働く意味とワークステージ
【キャリアデザインの基礎】③ キャリアにおける「VSOP」
【キャリアデザインの基礎 】④「WILL CAN MUST」を考える
【キャリアデザインの基礎】⑤ 社会人基礎力


キャリアデザインとは何か

「キャリアデザイン」と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?

将来の夢、仕事の選び方、職業適性……一瞬そんなワードが頭をよぎるかもしれません。

しかし、キャリアデザインという言葉を分解してみると、少し違った景色が見えてきます。

「キャリア」とは何か?

そもそも「キャリア」という言葉には、本来「車輪」「轍(わだち)」「足跡」という意味があります。

つまり、キャリアとは「自分が歩いてきた道のり」

職業名や肩書きではなく、あなたが何を経験し、何を学び、どう行動してきたか──

そうしたすべての積み重ねが「キャリア」なのです。

しかも、キャリアは“過去”にしか存在しません。

どんな立派な目標を語っても、実際に行動してきたことだけがキャリアとして残るのです。

「デザイン」とは何か?

一方で「デザイン」という言葉には、「設計する」「計画する」という意味があります。
アートやファッションの話ではなく、「未来に向けて自分の行動をどう設計するか」という視点です。

つまり「キャリアデザイン」とは?



「未来の過去」である「今」をどう過ごすか?を考えること。

未来は今の決断の積み重ねです。今は過去の決断の積み重ねです。

過去を理由に、できないと嘆くのではなく、「今、意思を持って決断すること」がキャリアデザインです。


なぜ今キャリアデザインを考える必要があるのか?

将来の見通しを立てるなんて聞くと、少し堅苦しく感じるかもしれません。

しかし、今の時代を生きる私たちにとってキャリアデザインは「自分を守る武器」でもあるのです。

その背景には、大きく2つの時代のキーワードが存在しています。

VUCA(ブーカ)時代

近年、「VUCA(ブーカ)時代」という言葉がよく使われます。
ブーカとは以下の4つの頭文字を取ったもの。

  • V:Volatility(変動性)
  • U:Uncertainty(不確実性)
  • C:Complexity(複雑性)
  • A:Ambiguity(曖昧性)

つまり、ブーカ時代とは、何が起きるか誰にも予測できない時代を示します。

記憶に新しいところでは、コロナ禍がその典型です。

あの突然のパンデミックは、私たちの生活や働き方に大きな変化をもたらしました。

仕事の選択、企業の在り方、テクノロジーの活用、そして国際情勢までもが予測不能なスピードで変化し、多くの人が「計画通りに進まない現実」に直面しました。

このような不確実性の高い時代には、事前に立てた「完璧な計画」がそのまま通用することはほとんどありません。
だからこそ今私たちに求められるのは、「自分で考える力」「変化に柔軟に対応する力」

つまり、何が正解かわからない中で、自分なりの選択をし、行動しながら軌道修正していく姿勢が、将来を考える上でとても重要になってくるのです。


人生100年時代

もう一つのキーワードが「人生100年時代」。

医療の発達により、私たちの平均寿命はどんどん延び、今の20代が高齢になる頃には、多くの人が100歳近くまで生きると言われています。

「100歳まで生きる」──すると、こんな問題が起きます。

  • 65歳定年→その後35年をどう生きるか?
  • 国の年金・福祉制度が不十分になる→お金が足りず生涯働き続ける必要性が出てくる
  • だけどずっと同じ仕事は難しい…→年齢に合わせて働き方を変える為のスキルを身につける必要がある


つまり、仕事や学びが”一生続く”ということ。
高度経済成長期は、ひとつの会社に長く勤めて、定年まで働くという生き方が一般的と言われていました。
「私はずっと勤め人として働こう。老後はのんびり暮らそうかな」みたいな考え方です。

でもこれからの人生100年時代では、それが通用しなくなります。

「24時間働けますか?」の昭和世代とは違い、仕事で無理をしたくない令和世代の意識の差はここにあります。昭和は20~60歳の労働を終え、老後は年金生活で悠々自適という40年間の労働人生。令和世代は100歳までの80年間の労働人生となると、倍の期間働くこととなります。

またインターネットが普及し、AIが発達した現在、一人の担う仕事の幅は広くなっています。例えば、プログラマーではなくてもプログラミングの知識が必要になったり、事務職でもグラフィックデザインができると重宝されたりと、ひとつの業務だけでなく、幅広いスキルが求められる時代に変わっていくのです。

だからこそ、今から「自分はどうありたいか?」を考え、自分の得意なこと・できることを増やしていく”学び続ける姿勢”、”学び続けるスキル”が重要になってくるわけです。

人生100年時代にあなたはどんな働き方を選びますか?

100年続く長い人生を見据えたとき、「働くとは何か?」を改めて考える必要が出てきます。

これまでは「ライスワーク(Rice Work)」、つまり「食べるために働くこと」だけでもなんとか逃げ切れる時代でした。嫌なことは我慢して、給与のために働き続ける。それでも60歳で定年を迎え、余生を過ごせるという希望がありました。

しかし今、私たちは100歳まで生きるかもしれない時代に突入しています。
ライスワークのまま、嫌な仕事を我慢しながら40年、50年と働き続けるのは、想像するだけでも辛いことです。

だからこそ、「働く」ことをライスワークだけで終わらせない選択が求められています。やりがい・情熱・成長…こうした要素を感じられる働き方にシフトすることで、長く働きながらも自分らしい人生を築くことができます。

◉ 詳しくはコチラ【キャリアデザインの基礎】② 働く意味とワークステージをご覧ください!



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キャリアデザインのカギは「プランドハプンスタンス」

ここまで読んで、「とはいえ将来なんて予測できないし、不安だ……」と感じる人もいるかもしれません。

そんなあなたにこそ知っておいてほしい考え方がこちら。

プランド・ハプンスタンス理論(Planned Happenstance)です。


プランド・ハプンスタンスとは?

プランドハプンスタンスとは、スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱した理論で、訳すと「計画的偶発性理論」。

ざっくり言えば、偶然の出来事をキャリアに活かすといった考え方です。

クランボルツは言いました。

人のキャリアの8割は予想できない偶然によって決まる

例えば、今あなたが所属している大学や学部も、完全に計画通りに来た人ばかりではないでしょう。

急に志望校を変えた人もいるし、何となく選んだ学部で思わぬ出会いがあった人もいるはずです。

つまり、人のキャリアの8割は予想できない偶然によって決まっていて、その“偶然”をチャンスに変えられるかどうか?が大きな鍵になるのです。

偶然を活かす5つの力

偶然をチャンスに変えるためには、以下のような力が必要です:

  1. 好奇心:知らない世界を知ろうとする力
  2. 柔軟性:計画を変えても前向きでいられる力
  3. 楽観性:失敗してもなんとかなると思える心
  4. 持続性:粘り強く努力を続ける姿勢
  5. 冒険心:新しい挑戦を恐れない姿勢

これらを意識して行動することで、偶然はただの“運”ではなく、チャンスへと変わる──それがプランド・ハプンスタンス理論なのです。

プランド・ハプンスタンス理論についてはコチラの記事で詳しく解説してます。
【キャリアデザインの基礎】プランドハプンスタンス


キャリアデザインの第一歩は「行動」から

では、キャリアデザインを始めるには、何をすればいいのでしょう?

答えはシンプルです。

「まず、やってみる」こと。


身近な話で言えば、

  • 新しいお店に入ってみる
  • 地域のボランティアに参加してみる
  • 社会人趣味サークルに入ってみる
  • 無料セミナーに参加してみる

学生であれば、

  • インターンに行ってみる
  • 初めてのサークルに顔を出してみる
  • 興味のある分野の本を読んでみる
  • キャリアセンターに相談してみる
  • 日記やレポートで自分の考えを「見える化」する

「やってみる→考えてみる→次に進む」というサイクルの繰り返しこそが、”キャリアを築く”ということなのです。
そこに正解なんてありません。

まとめ:キャリアデザインは”自分の人生を自分で選ぶ”こと

キャリアデザインとは、「未来のために、今、何を選ぶか?を考えること」です。

親や先生、友達が何を言おうとあなたの人生はあなたのもの

あなたの人生はあなたのものという考え方を「キャリアオーナーシップ」と言います。

キャリアは仕事にとどまらず、あなたの積み重ねを全て意味します。

得られた経験、感じたこと、形成される価値観全てがキャリアなのです。

そして今の時代、将来を完璧に予測することなんて絶対に不可能です。
だからこそ、日々の選択に責任を持ち自分で考えて自分で決める力を養うことが大切。

  • 流される人生ではなく、自ら選ぶ人生を
  • 失敗を恐れず、まずは動く
  • 偶然を活かして、柔軟に進む

長い人生、あなたらしい未来を生き続けるためにも、「キャリアデザイン」の視点をぜひ持ってみてください。



▼ 株式会社なんで・なんで代表須田が展開する【キャリアデザインの基礎】シリーズはこちらからご覧ください。

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