企業向け情報

【キャリアデザインの基礎】⑦ リフレーミング

キャリアデザインの基礎・第7回目。
本記事では、「リフレーミング」について解説していきます。



▼株式会社なんで・なんで代表須田が展開する【キャリアデザインの基礎】、ほかの記事はコチラから

【キャリアデザインの基礎】① 「キャリアデザイン」とは
【キャリアデザインの基礎】プランドハプンスタンス
【キャリアデザインの基礎】② 働く意味とワークステージ
【キャリアデザインの基礎】③ キャリアにおける「VSOP」
【キャリアデザインの基礎 】④「WILL CAN MUST」を考える
【キャリアデザインの基礎】⑤ 社会人基礎力
【キャリアデザインの基礎】⑥ コミュニケーションタイプ




リフレーミングとは?

リフレーミング、直訳すれば「枠組みを変える」という意味ですが、もう少し噛み砕いて言うと【物事の捉え方を変えること】です。

例えば…ここに「半分水が入ったコップ」があります。


コップに半分入った水を見て、もう半分「しか」ないと思うか、まだ半分「も」あると思うか。

コップの中身はまったく同じなのに、どちらの見方をするかで感じ方や気分が変わります。
前者はネガティブな捉え方、後者はポジティブな捉え方。

このように、同じ事実でも視点を変えることで、受け取り方や行動が変わります。

ポジティブに受け取るのが

リフレーミング

です。

目の前で起こった事実はただの事実であって本来は良いも悪いもないはずなのに、人はやたらとその事実に意味をつけたがります。

例えば「大学に入学した」という事実も、

「第一志望じゃなかったから仕方なく…」と捉える人もいれば、
「第一志望の学校に入れて嬉しい!」と捉える人もいる。

同じ「大学に入学した」事実なのに、捉え方によって印象がまったく違いますよね。
つまり、あなたの捉え方ひとつで見える景色はガラッと変わるということなのです。

「思考の癖」を理解してリフレーミングする


人には誰しも「思考の癖」があります。

上の表で示したように、物事を悲観的に捉えやすい人もいれば、前向きに考えるタイプの人もいます。
どちらが良い・悪いという話ではありませんが、どんな状況でも前向きに捉えられる「思考の癖」を身につけることは、人生をより豊かにする大きなヒントになるのです。

かの有名なトーマス・エジソンは「失敗とは、うまくいかない方法を見つけただけ」と語りました。
まさにこの言葉こそリフレーミングの象徴とも言われ、失敗を別の角度から見直すことができれば、挫けることなく次の挑戦に向かうエネルギーが自然と湧いてきますよね。

「失敗」を、ただの「失敗」として受け止めるか?
「そこから学べる貴重な経験」と考えるか?

この違いによって、その後の行動や気持ちの持ち方は大きく変わり、さらには起こった出来事の印象さえも変えてしまうのです。

リフレーミングと社会のつながり


リフレーミングが役立つのは、自分の内面だけにとどまりません。
社会とどう関わっていくか?を考える上でも、非常に大切な視点になります。

例えば、2020年に世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスの大流行。
人々の生活や経済活動に大きな制限がかかり飲食店や観光業が深刻な打撃を受けた一方で、宅配やテイクアウトの需要が急速に高まりUber Eatsなどの配達サービスが一気に広まりました。

その流れで一時は唐揚げ専門店のような業態が急増したものの、コロナ禍が落ち着くと途端に閉店が相次ぐなど、コロナという社会の変化が次々と連鎖し、さまざまな業界に大きな影響を与えました。

このように、ある一つの出来事が一見関係なさそうに見える分野にも波紋のように影響を広げていくのが、社会の構造なのです。

日本には古くから、「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがあります。
風が吹いて土ぼこりが舞い、目を悪くする人が増え、目の不自由な人が三味線で生計を立て、その三味線に猫の皮が使われ、猫が減ってネズミが増え、ネズミが桶をかじるようになり、結果的に桶屋が儲かる——という、やや極端な例ではありますが、物事の連鎖をうまく表した言葉と言えます。

つまり、どんな仕事においても自分の業界だけに目を向けるのではなく、社会全体の動きや他分野とのつながりを意識することがとても大切ということ。

広い視野で物事を捉えられるようになると、自分の仕事にも深みが生まれ、ひいては人や地域を支える大きな力につながっていくのです。

サプライチェーンと国際情勢


社会のつながりを理解していく上で、サプライチェーン(供給連鎖)の概念も欠かせません。
サプライチェーンとは、原材料の調達から製品の製造、流通、消費に至るまでの一連の流れのこと。

例えば小麦を例にすると、私たちが普段食べているパンや麺類は小麦の輸入から始まります。
小麦は主に海外から運ばれ、それが粉にされ加工され食品になり、店頭に並びます。

ここにウクライナの戦争など国際情勢の変化が起こると、小麦やオリーブオイルの価格が急上昇し私たちの生活にも影響を与えるわけです。
こうした「遠くの出来事」が私たちの日常に影響を与えるのは、サプライチェーンが国際的に繋がっているから。
だからこそ、社会や経済の動きを幅広く見て知ることが大切で、どんな仕事につくにしても視野を広げておく必要があります。

まとめ:リフレーミングで人生を豊かに

リフレーミングとは、単にポジティブシンキングとは違います。
物事の捉え方を柔軟に変えることで自分の強みや可能性を再発見し、困難を乗り越える力を育てる方法です。

社会は私たちがか考える以上に複雑に繋がっていて、経済も国際情勢も日々変化しています。
だからこそ、固定観念に縛られず新しい視点や広い視野を持ち、社会全体を俯瞰して考える力が必要です。

その結果、自分の置かれた状況を新たに解釈し未来への希望や自信を持つことができるのです。

これこそがリフレーミングの最大の力であり、皆さんがこれからの人生を豊かに歩むための大きな武器になります。


▼株式会社なんで・なんで代表須田が展開する【キャリアデザインの基礎】、ほかの記事はコチラから

【キャリアデザインの基礎】① 「キャリアデザイン」とは
【キャリアデザインの基礎】プランドハプンスタンス
【キャリアデザインの基礎】② 働く意味とワークステージ
【キャリアデザインの基礎】③ キャリアにおける「VSOP」
【キャリアデザインの基礎 】④「WILL CAN MUST」を考える
【キャリアデザインの基礎】⑤ 社会人基礎力
【キャリアデザインの基礎】⑥ コミュニケーションタイプ