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【記事解説】【意識調査】20代若手社員、リモート環境で「上司、先輩へ気軽に雑談・相談がすることができない」が約9割! 20代若手社員のオンラインで働く悩みに関する最新若手意識調査レポートを公開
2024.05.10
今回はリモート環境における若手社員のコミュニケーションに関する意識調査を扱ったこちらの記事に着想を得て、リモート環境だけに留まらない上司と部下のコミュニケーションについて解説していきます。
上司と部下のコミュニケーション問題の背景
上司と部下のコミュニケーション不足は、長らく日本の職場環境での課題として認識されてきました。これは主に、上司が忙しくて部下の声を聴く時間がないことや、部下が上司に意見や質問をすることに対する心理的な壁が原因です。また、職場の文化として「空気を読む」ことが重要視されるため、部下が自分の意見を積極的に表明することが難しい環境が影響しています。
コミュニケーション不足の影響
コミュニケーションが不足すると、業務の効率が低下するだけでなく、部下のモチベーションも下がります。特に若手社員は、仕事に対する不安や疑問を解消できず、結果としてパフォーマンスが低下する可能性があります。上司と部下の間での情報共有が不足すると、ミスが増え、信頼関係が損なわれることもあります 。
双方の歩み寄りの解決策
そんなコミュニケーション不足を解決するために、上司と部下、双方が取り組めること、上司が取り組めること、部下が取り組めることの順にみていきましょう。
双方が取り組めること
- コミュニケーションスキルの向上: 上司と部下の双方が「聴く力」を含むコミュニケーションスキルを向上させることが必要です。これには、プレゼンテーションや交渉力の練習だけでなく、相手の話を正確に聴く力を養うことも含まれます。相手のレベルに合わせたコミュニケーションを心がけることで、情報の誤解を防ぎ、信頼関係を築くことができます。
上司が取り組めること
- 定期的な面談の実施: 上司と部下が定期的に面談を行うことで、部下の成長を見守り、フィードバックを提供する機会を増やすことが重要です。例えば、月に一度の「1on1」などが効果的です。これにより、部下は自分の仕事に対する安心感と適度な緊張感を持ち続けることができます。
- 心理的安全性の確保: 部下が安心して意見を言える環境を作ることが重要です。これは、上司が部下の意見や質問を積極的に受け入れ、フィードバックを行うことで実現できます。また、部下が失敗を恐れずに挑戦できる文化を醸成することも、心理的安全性の向上に寄与します 。
部下が取り組めること
- やりたいことをするのではなく、するべきことをする:最終的には、若手社員が「やりたいことをする」のではなく、「するべきことをする」姿勢を持つことが重要です。目先の状況で「聞きにくいから聞かない」のではなくて「仕事を進めていくうえで聞いた方が仕事が進むのであれば、聞きにくくも聞かなければいけない」のです。聞くこと自体ではなく、仕事を進めるということが目的なので、「仕事を進めるために必要だから聞かなければならない」のであって、仕事を進めるために何が必要かを考えた時に「聞きにくいから聞かない」というのは理由にはなりません。
いかがだったでしょうか。上司も部下も相手だけの所為にせず、自分の仕事の1つと捉え、半歩ずつ歩み寄りましょう。
今回解説した記事
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