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【須田コラム】「あの人だからね」って言い合うこと ~ダイバーシティの先のインクルージョン~
2025.01.21
※この記事は代表須田の個人ブログ記事「【多様性】「あの人だからね」って言い合おう」を再編したものです
「どんな形でもいいよ」が多様性
多様性というと一番最初にでてくるのは「ダイバーシティ」っていう言葉だと思うんだけど、本来多様性っていうのは、その言葉の通り多様であることだと思うんですね。
だから「どんな形でもいいよ」みたいなものが多様性だと思っていて、一つの意見だとか、一つの価値観についても「そんな考えあるよね」っていうような多様性のある社会になればいいな、という風に思っています。
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ダイバーシティの「壁」
多様性っていうのを「ダイバーシティ」で語ると、性別だとか、年齢だとか、国籍だとか、宗教とか、そういったところが項目になってくると思うんだけど、結局はそういう風にくくるんですよね。
僕はここがダイバーシティでの「一つの壁」になっていると思っています。
それは、女性だとか、男性だとか、っていう性別的な切り分けをしないようにしましょう、とか。お互い、あの人はこの宗教だけど、認め合いましょう、とか。こういう価値観だけど、認めましょう、というカテゴライズがある。でもそれを認めましょうというのが、ダイバーシティ。
それを、更に突きつめていくと、「インクルージョン」という世界になっていくと。
インクルージョンっていうのは、障がい者の世界の中では、もう20~30年前から言われている言葉で、区別をしないっていうのが、インクルージョンの方向性です。
ダイバーシティの先のインクルージョンまで見据えた多様性を
なんか、「あの人はこういう人、だけどそれもありだね。」言ってるとダイバーシティなんだけど、「あの人だからね」って、いう人たち、周りにたまにいないですかね?
なんかそういう「あの人だからね」っていう考え方や、「あの人だからね」って認め合えることが、インクルージョンっていう世界になってくると思います。
多様であっていいし、多様であることはわざわざ切り分けをしないことであるべきだと思っているので、ダイバーシティから、その先のインクルージョンまで、見据えた多様性を持っていくと。
つまりは、「あの人はこうだから、こう」っていうことを、決めるんじゃなくて、「あの人だから」って言われるような人間になりたいと思っています。
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Q&A
Q. インクルーシブ教育とは、また違うことですか?
同じです。教育で言われる、インクルーシブ教育っていうのは、「この子は数学が得意だから」とか、「この子は運動の方が得意だから」と言うことじゃなくて、数学的に体育を考えるとか、英語で社会や国語を考えるとかっていうような、教科を超えて考えていって、その子らしさを出していくっていうのが、インクルーシブ教育というものです。
区別をしない。これに尽きます。
「この子は頭いい子だからね」とか、成績別で分けるとか、得意教科で分けるとかっていうことをせずに、どうしたら総合的に5科目が相乗効果を得られるかっていうことを考えていくというのは、インクルーシブ教育で、また、そこに障がい者だとか、ADHDだとか、ちょっと注意力が散漫な子にどう接していくかみたいなことが、含まれてくるわけで。
その子がどういう子か、障がいを持っているか、とか、得意不得意かっていうことは、置いといて、その子らしくあるためには、どうすればいいかっていうのが、インクルーシブ教育っていうのになります。

Q. でも区別しないって、難しいですよね?
そう。区別するのは、楽なんですよね。そうすると、理由になるから。
だけど、その理由が本当にそうかっていうことが、難しくなっていると思います。
いじめの原因とか、成績が悪い理由とか、何か原因の究明を責任の中でする必要がある場合に、区別することで納得感を得たがるんです。
でも今の時代、何か一つの原因を解決したからって問題が解決するってことは無くて、なんでも複雑に絡み合っていると思います。
まとめ
- ダイバーシティの先にインクルージョンという形の多様性がある
- 1人1人をカテゴライズせずに認めるインクルージョン
- 「あの人だからね」といわれる人になりたい
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