人事担当者向け

【キャリアデザインの教科書⑦】補助線5 キャリアの仮面

【連載】キャリアデザインの教科書 第7回「キャリアの仮面」

リクルートワークス研究所による報告書「新しいキャリア論ハンドブック 8つの補助線から考えるキャリアデザイン」を読み、代表須田が今感じること、考えることを語る全10回の連載企画。

最初から読む:第0回 キャリアデザインとは

前回:第6回 補助線4 マルチロール

多重役割と広い交友関係の中の「自分」

様々な役割のなかで広い交友関係を築いていくと、自分が何者であるか、を見失いがちです。ビジネス書や啓蒙書をたくさん読む勉強家が、自分の言葉ではない聞きかじった言葉でプレゼンテーションをするがゆえに、話すのは上手だけれども説得力のない営業になることがあります。

また、ベンチャー企業などで経営者に心底ほれ込んで入社をしたために、イエスマンになってしまい、逆に経営判断を鈍らせるなど、無意識の中で本心ではない他人の意見で決断をしてしまっていることがあります。

複雑化する多重役割と弊害

前の記事でも述べた通り、1人の人が担う役割がさらに多様になっていくため、コミュニティごとのキャラクター設定を持っていると、目まぐるしいキャラクターの移り変わりのなかで自分を見失ってしまいがちです。さらに違うコミュニティにも別のコミュニティの人が複数入っているなど、周りの人も多重役割を担っています。おこり得る問題の1つは「あの人コミュニティによってキャラ違うよね」という陰口をたたかれてしまうことです。

柔軟な気持ちで自分の仮面を受けとめる

報告書の本文には、責任ある立場の方はプライベートの時にも責任感を持ち続けなくてもいい、という記載もあります。このような柔軟な気持ちでいるということは大事だと思います。

私個人としては、職業病と表現される通り、仕事を一生懸命やっていると、仕事中の振る舞い、仮面が自分にしみついてしまうように思います。仕事の仮面に引っ張られずにフラットいるべきと内省しながら、同じような仮面が出てきてしまった時も「自分は頑張ってるんだな」と思うようにしています。

次回:近日公開