人事担当者向け
【キャリアデザインの教科書⑩】補助線8 働くことは辛いもの?
2024.11.15
【連載】キャリアデザインの教科書 第10回「働くことは辛いもの?」
リクルートワークス研究所による報告書「新しいキャリア論ハンドブック 8つの補助線から考えるキャリアデザイン」を読み、代表須田が今感じること、考えることを語る全10回の連載企画最終回。
最初から読む:第0回 キャリアデザインとは
前回:第9回 補助線7 AI×キャリア
仕事が充実していなければ人生はつまらない?
レポート本文における補助線8の要旨をまとめると、仕事に期待をしていない人(反労働観を持つ人)の方が、プライベート満足度が高いという逆説的な結果になっています。
また、仕事に期待をしていない人の方がキャリア進捗満足度が高いという結果も出ています。キャリア理論やキャリア自律、内発的動機づけ、やりたいことを仕事にするなど、キャリアについて学んでいる人ほど「仕事を充実させなければならない」という理屈によって成長実感を得られないでいることになります。
反労働観を持つ人とキャリアについて学んでいる人の実際の成長率ではなく、本人が感じる満足感についてのデータが取れたといえるでしょう。
ワークライフバランスよりもワークライフシナジー
私はキャリアデザインを広める身として、キャリア論やキャリア自律を疑うことはありませんが、よりよく働くために成長を実感する機会を自ら偶発的に起こし、ワークライフバランスではなく、ライフワークシナジーを目指すべきだと思っています。
プライベートに合わせて、仕事を制限するのではなく、忙しい仕事の分だけリフレッシュできる自分の時間の使い方を見つけることが大事です。そのためには従来の働くことを時間で測るのではなく、成果やお客さんの満足度で測る価値観に移行していくことがこれからの働き方なのではないでしょうか。