人事担当者向け

【なんでなんでのVision】経営者と従業員の境界【解消したい境界】

経営者と従業員の境界とは

「経営者と従業員の境界」とは、会社における一般的な役割や責任の違いによって意識に生まれた境目のこと。

まず最初に伝えたいのが、会社内では「経営者」「従業員」とそれぞれ肩書きが違ったとしても、人生というもっと大きな視点で見れば、それぞれ一人一人が「人生の経営者」である、ということです。

しかし、前述したように会社内においては、一般的な役割や責任などの違いから意識上の境目を作ってしまい、結局これが「経営者と従業員の境界」を生んでしまっているわけです。

ではまずは、意識上に生まれる経営者と従業員の立場の違いとは何か?具体的にみていきましょう。

意識上の”立場の違い”を生む要因

経営者従業員
売上の意識売上=会社の存続・成長に直結する。来期、来年、5年後…と長期で考える売上=自分の業務の成果。責任は部分的であり今月、今週、今日…と短期で考える
視野全体(会社全体の利益・ビジョン・長期戦略など)自分の担当業務やチーム単位のタスクに集中する
労働時間自由度が高いが、責任が重く「終わりがない」ことが多い契約時間内で働き、ある程度時間が区切られている
休日休んでいても頭の中は仕事モード。常に会社のことを考えている休みは基本オフ。休日はしっかり休めることが多い
働く目的「会社を育てる」「社会に貢献する」など使命感が強い「給与を得る」「成果を出して評価される」などが主になる傾向

このように、「会社の利益を最大化するために長期的な収益向上を重視する経営者」と「自身の労働に対して報酬や日々のタスクを効率的にこなすことを重視する従業員」とでは、労働に対する考え方の出発点がまず異なります。

ゆえに意識上の立場の違いが生まれてしまうのです。

経営者と従業員の境界をグラデーション化するには

一人一人がキャリアオーナーシップを持つこと

では、経営者と従業員の意識上のギャップを埋め、考え方をグラデーション化させるためにはどうしたら良いのか?

ここで今一度思い出して欲しいのが、会社内では「経営者」「従業員」とそれぞれ肩書きが違ったとしても、人生というもっと大きな視点で見れば、それぞれ一人一人が「人生の経営者」である、ということ。

人生を会社経営で例えると、人生という「家計」は一つの事業体であり自分というオーナーが運営しています。そのため、給与が高い会社に転職したり、自由な時間を求めてフリーランスになるのも、自分の「会社」をより良く運営するための一つの戦略というわけです。

なので、自分のキャリアも含めて全てが一つの「事業」だという意識を持ち、そこに責任を持つ行動をする必要があります。

これがキャリアオーナーシップです。

会社という狭い枠組みにとらわれず、全ての人が「経営者視点」を持ち、自分の人生やキャリアを一つの事業として捉える意識が大事です。

※キャリアオーナーシップとは、自分のキャリアを自分自身の手で積極的に管理・運営していくこと。具体的には、自分の成長や目標達成に対して責任を持ち、主体的に行動する姿勢を指す。

経営者こそ自分のキャリアオーナーシップに目を向けたい

これはもちろん、経営者にも同じことが言えます。 経営者であれば誰もが持っていて当たり前と考えるキャリアオーナーシップですが、中には、企業を”守り続ける”ことだけに焦点を当ててしまい、自らのキャリアの成長や方向性については疎かになっている経営者もいるのが現実。

特に、血縁関係からそのまま事業を引き継いだ経営者や中小企業の社長などは、その役割を自然と担うことになるので、企業の刷新や自らのキャリアの方向性を考えていないケースも。

親から引き継いだ伝統的なやり方ばかりに気を取られ、既存の業務の延長線上でしか物事を考えられなくなり、結果として時代に合わないビジネスモデルや労働環境、古い文化ばかりが残り、企業の成長が停滞してしまうパターンです。

このような状況を回避するためにも、経営者自身がキャリアオーナーシップを持ち、企業の未来を見据え行動することが求められます。例えば社員の待遇や働き方改革を実施したり、時代に合わせた新しいビジネスモデルを導入することなど。

経営者自身も今一度「キャリアオーナーシップを持てているか?」と我が身を振り返り確認することが大切です。

このように「経営者」「従業員」ともにキャリアオーナーシップを持ち、共通の目標に向け心を通わせることによって双方の考えはグラデーション化され、会社全体の成長にも大きくつながっていきます。

グラデーション化のために経営者・従業員の双方が考えるべきこと

ここからは、意識上の立場の違いを取っ払い、グラデーション化のために双方ができること、考えていくべき行動を具体的にまとめます。

経営者が従業員の目線を理解する

経営者自身が従業員の立場に立って考え、従業員の目線を理解することがグラデーション化への第一歩。身分を隠しタイミーなどで単発の接客業をしてみるなどの方法もあります。

従業員にとって働きやすい環境を作るためには、どのような支援が必要か?どうすれば従業員のモチベーションを高まるか?を考えることが重要です。

例えば、給与や待遇の改善だけでなく、柔軟な働き方や職場環境の整備、キャリアアップの機会を提供することが挙げられます。

また経営者が従業員の声を積極的に聞き、フィードバックを受け入れることも大切です。 従業員が自分の意見や要望を企業に伝えることができる環境が整っていれば、従業員の信頼感が高まり、仕事に対するモチベーションも向上します。

従業員が経営者の目標を理解する

一方で従業員は、自分の人生の目的について自律する必要があります。 やりたくなくてもやるべきことに向き合える自立した社会人であること。

経営者が目指す目標や会社の理念をしっかりと理解できているか確認することが大事で、定期的に自分の役割を再確認すること。企業の成長と発展には、従業員一人一人の存在が不可欠です。そのため従業員も会社が掲げるビジョン(経営者の思い)をしっかりと理解し、自分がそのプロジェクトチームの一員として存在することを自覚し「何を成し遂げるべきか?」を常に考えることが重要です。

つまり、会社の方向性を理解した上で、自分の役割がどのように位置付けられているか全体像を把握する必要があり、経営者が掲げるビジョンをただの「理念」として受け取るのではなく、具体的な日常業務にどのように落とし込むか?がポイントとなります。

経営者の「決定ストレス」に助けの手を差し伸べる

経営者が抱える「決定ストレス」とは、日々の意思決定に対してかかるプレッシャーのこと。

例えば、会社の成長戦略をどう策定するか?売上を確保するためにはどの分野に注力するべきか?人員配置をどうするか?など、多岐にわたる”決定”を経営者は常に日々行っています。

だからこそ、「今日の昼食何食べる?」といったすごく小さな決定でも、従業員の協力で経営者の負担は大きく軽減されるものです。そのうえ、従業員が物事を自分ごととして捉え、自ら考え行動する姿勢を持つことは、会社にとってとても大きな助けになります。

共通の目標を設定する

経営者と従業員の共通の目標を設定することは、価値観のズレを解消するために効果的な方法です。 企業の目指す方向性や理念を従業員と共有し、全員がその目標に向かって努力することで、チームとしての一体感が生まれます。これにより個々の従業員が自分の仕事に対して誇りを持ち、よりやりがいを感じられるようになるのです。

目標に対する進捗を定期的に確認し、経営者は従業員の仕事の成果を評価し一緒に成功を祝うことで、従業員のモチベーションを高めることができ、ひいては企業全体の成長にもつながります。

まとめ

・互いの視点を理解

・立場関係なく全員がキャリアオーナーシップを持つ

・共通の目標に向けて寄り添い協力する姿勢

経営者は、従業員が安心して働ける環境を整え、会社のビジョンを明確に伝えるとともに、従業員の意見にも耳を傾ける姿勢が必要です。

従業員は、経営者の考えや企業理念を深く理解し、会社における自分の役割を見つけることで、企業の成長に貢献することができます。

評価制度や社内教育、双方の立場の枠を超えコミュニケーションを強化することで、経営者と従業員の考え方はグラデーション化し、企業は大きく成長していくことができるのです。

「経営者と従業員の境界」を無くすためになんで・なんでができること

  • 採用広報事業
  • ブランディング事業
  • 社内の仕組み作り事業

なんでなんでのVision 無くしたい境界

価値観の境

常識と個性の境界

社内外の境界

経営者と従業員の境界(本記事)