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予測不能な現代社会 VUCA時代とは?

VUCA時代とは何か?

現代社会は「VUCA時代」と呼ばれています。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、未来の予測が難しい状況を指します。この概念は、ビジネスや経済、政治、社会など、さまざまな分野で使われています。

VUCAの具体的な事例

変動性(Volatility)

世の中が目まぐるしく変化する様子のこと。

例えば気候変動。昔に比べて突発的な豪雨や暴風など予測のつかない天気が増えました。

ファッションや流行なども昔に比べて移り変わりが激しくなってきたといわれています。

また、技術革新のスピードが増す中、スマートフォンの普及も一例です。総務省の調査によれば、2018年時点でスマートフォンを保有している世帯の割合は8割近くに達しています。これに伴い、新たな市場が生まれる一方で、フィーチャーフォン時代のサービスが終了するなど、変動が激しい状況が続いています。技術の進化は予測が難しく、企業は常に新しい技術に対応する必要があります。

不確実性(Uncertainty)

未来が予測しにくいこと。過去に前例にないことがたくさん起きること。

コロナ禍や前例のないレベルの自然災害、人口動態の変化が不確実性の例として挙げられます。

日本では少子高齢化と人口減少が進行しており、震災や台風による被害も頻発しています。これにより、さまざまな面で前例のない状況が発生し、将来の予測が困難になっています。企業や政府は、これらの不確実性に対処するための柔軟な戦略を求められています。

複雑性(Complexity)

1つの問題に沢山の原因があるので、1つの原因を解決しても問題が解決しないこと。

グローバル化に伴い、ビジネス環境は複雑化しています。例えば、新興国市場への参入には、政治的リスクや経済的リスクが絡み合い、単純な成長が期待できない状況です。

また、サプライチェーンの複雑化も複雑性を高める一因です。そこで多国籍企業は、異なる国の規制や文化に対応しなければならず、これがビジネスの複雑性を増しています。

曖昧性(Ambiguity)

白黒、善悪などはっきりとカテゴライズできないこと。

例えば、インターネット上では情報の正確性を判断することが難しくなっています。

また、健康に良いとされる食品や運動方法も研究が進むにつれて、その評価が変わることが多くあります。一つの研究が「コーヒーは健康に良い」と結論づけても、次の研究でその逆が示されることがあります。

そして、価値観の多様化も曖昧性の一例です。インターネットやソーシャルメディアの普及により、消費者の価値観が急速に変化し、過去の成功事例が通用しなくなっています。このため企業は、消費者のニーズを正確に把握するために、データ分析やマーケティング戦略を駆使する必要があります。

まとめ

VUCA時代は、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を特徴とする時代です。このような時代においては、柔軟な思考と迅速な意思決定が求められます。ビジネス環境の変化に対応するためには、常に最新の情報を収集し、適切な対応を行うことが重要です。企業や個人は、これらのスキルを磨くことで、VUCA時代を乗り越えることができます。

参考リンク