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ハーズバーグの「二要因理論」 満足と不満足

※この記事は代表須田の個人ブログ記事「満足と不満足の話」を再編したものです


今回は前提として、心理学者のハーズバーグが言っている「二要因理論」(二元論とも言う)の話をした後に、ちょっと私の感想を述べたいと思っています。

ハーズバーグの「二要因理論」

ハーズバーグが言っているのは、「満足」になる原因と「不満」の原因は違うので、それぞれ違うアプローチしないといけないよ、ということです。

 不満 ⇄ 不満の解消  
 満足 ⇄ 満足していない

よくある一般的な認識っていうのは、「不満を解決すれば満足するだろう」と、不満の反対に満足があると思っているんですけど、「これ全然反対とかじゃなくて、全然次元の違う話なんですよ」、というのがハーズバーグの主張です。

「不満解消」=「満足」ではない?

例えば、「不満」の元になるもの、「不満」の原因になるものっていうのは、働いている上では給与とか人間関係とかなんですね。人間関係が悪いと「むちゃくちゃこの会社嫌だ」となるんですけど、良くなったとしても、「満足するか」と言われると、不満が解消されただけで、「人間関係がいいからこの会社で満足だ」と言う話にはならないんですね。

次に何を求めるかというと、そこから人間関係がいいのでこの人たちに認められたいとか、この人たちと一緒に会社を大きくしていきたいとか、そういうやりがいを求めるっていうのが今度は「満足」のために必要なものになります。

これも面白くて、「満足」が必要とするやりがいとかが無くても「不満」にはならないんですね、実は。だって「別に仕事にそんなに一生懸命に生きていけなくても、仕事はこなせて生活できれば別にやりがい求めないです」ていう人も今結構いるような世の中です。もちろんやりがいを求めたいっていう人もいるけど、やりがいを求めなくてもいいという人もいる中で、絶対にやりがいが必要だと押し付けるのって、息が詰まるような働き方かなと思います。なので、やりがいを求める人は満足を求める人で、人間関係とか環境面とかそういうもので不満を感じる人が世の中にいるという話ですね。

「二要因理論」がお金について示唆すること

今回この理論を持ち出して言いたいことは何かというと、給与とかお金の扱いになります。

どうしてもですね、首都圏から秋田にUターンなどで戻ってくる、もしくは転職でIターン、Jターンをしてくれるというときのネックは給与になるわけです。給与でいうと、秋田県の平均給与というのが大体平均370万円と言われています。

47都道府県別/地方別平均年収情報(2023年)

逆に東京の方はというと、450万円くらいなんですね。それで、秋田に戻ってきたいという人達がどうなるかというと、結構その年収の差が激しくなってきて、例えばこの間相談を受けた方というのは、「年収800万円くらいあります」「そんなに残業もなくて、ホワイトカラーで企画したりとか営業したりとかで、結構裁量を持ってやってます!」みたいな人なんですけど、秋田にきてしまうと年収400万円切ってしまう、つまり半減してしまう、ということなんです。

その半減をやりがいでなんとかカバーできるか、というとそれはやっぱり少し難しいという話になります。やりがいでカバーできる部分も少なからずあるんですけど、給与というものは生活をするために絶対に必要なものっていう観点では不満の原因になりうるんですけど、それと同時に「私の頑張りとか価値観とかそういったものを認めて欲しい」、「仕事の成果を出しているのにこの給与しかもらえないのか」といった見方になると満足ができない、という原因にもなります。

給与というのは生活ができない、という環境衛生面でいうと不満の原因になりうるんだけれども、評価をしっかりされていないという認識、承認欲求が満たされていないという意味では満足しない原因にもなるので、不満の解消と満足の両方にお金がかかるかな、と思っています。

まとめ

  • 不満の解消と不満足の解消は対にはなっておらず、別のものである
  • 給与は働くうえで不満の原因にも不満足の原因どちらにもなりうる

関連リンク

ハーズバーグの二要因理論 | INVENIO LEADERSHIP INSIGHT

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